冬虫夏草レシピ

薬膳を作る際には体質やテーマに合わせた食材選びが重要。調理方法によって、より効果的に薬効を引き出すことができます。代表的な10種類の調理法 と、そのポイントをご紹介しましょう!
なお、薬膳を身近に感じられるように、ここでは中国古来のものだけではなく、わたしたち日本人にもわかりやすいような食べ方や食材に置き換えている部分もあります。

薬膳料理のコツ1、 スープ(湯)にする

食材の効能が溶け込みやすく、スープは薬膳の基本でもある。肉や野菜などと一緒に煮込む。

例)当帰と羊肉のスープ(血液を補い、カラダを温める)、冬瓜としょうがのスープ(利尿作用)など

薬膳料理のコツ2、 粥にする

米、麦、アワなどに生薬や食材をあわせる。胃腸に優しく消化もしやすいので、適応範囲も広い。日本人にも馴染みやすく、病院食でも有名。

例)山芋粥(下痢を止めたり、消化を助ける)、緑豆とはと麦のお粥(解毒作用やアトピー対策)など

薬膳料理のコツ3、 ジュースにする

新鮮な野菜や果物を搾ったもの。加熱はしない。なお、飲みやすいように甘みをつけることも可能。

例)すいかのスムージー(熱を下げたり夏バテ防止)、レモンジュース(のどの渇きをとる、疲労回復)など

薬膳料理のコツ4、 お茶にする

沸騰したお湯に、茶葉やそのほかの食材をブレンドして薬効を抽出する。お湯の中に数分いれて煮出す場合もある。

例)しょうが黒糖茶(かぜのひき始めや予防に)、酸梅湯(消化促進、夏バテ防止)など

薬膳料理のコツ5、 お酒にする

生薬や食材をお酒につける。お酒には薬効を抽出しやすくさせたり、作用を全身に行き渡らせる働きがある。氷砂糖などの甘味料を加味してもいい。

例)クコ酒(疲れ目、滋養強壮)、紅花酒(血行促進、生理痛対策)など

薬膳料理のコツ6、 シロップにする

生薬や食材を煎じたものに、蜂蜜を加えて軟膏状にしたもの。

例)梨のシロップ(のどの炎症や痛み)、梅シロップ(食欲促進、疲労回復)

薬膳料理のコツ7、 炒め物にする

肉や野菜など(といっしょに生薬)を炒める。さまざまな料理に対応もでき、調理方法もカンタン。

例)ゆり根とセロリの炒め物(イライラ、精神安定)、ニラと卵の炒め物(血行促進、滋養強壮)など

薬膳料理のコツ8、 煮込む

肉や野菜など(といっしょに生薬)を煮込む。生薬はお茶パックなどにいれたり、あらかじめ煎じておいた薬液を足したり、素材そのままを煮込む場合もある。

例)カレー(血行促進、食欲増進)、アサリのクラムチャウダー(安眠、精神安定)など

薬膳料理のコツ9、 点心にする

ギョーザやマンドウ、シュウマイなどにして蒸す。生薬は煎じて生地に練りこんだり、粉末を混ぜ込むことができる。

例)ウイキョウ餃子(気のめぐりを良くする、かぜ予防)、茯苓包子(胃腸を丈夫にし、湿をとる)など

薬膳料理のコツ10、漬け込む

生薬や食材を酢や油に漬け込む。調味料として使うことが出来るので、毎日摂取できるのも利点。

例)にんにく油(血行促進、疲労回復)、五味子酢(咳止め、のどを潤す)など


生より焼いたほうが、茹でるより揚げるほうが、一般的にカラダを温める作用が高いとされます。調理方法や加熱方法の作用を覚えておくと、普段料理をする上でも幅が広がることでしょう。