人は臓器のみにあらず。冬虫夏草への期待

統合医療(補完・代替医療)という言葉をご存知ですか?
これは、西洋医学だけでは治癒が期待できない疾患に対して、漢方などを使って症状の改善を試みる医療のことをいいます。
統合医療の考え方として基礎にあるのは、「人は臓器のみの存在にあらず」という考えです。西洋医学では、臓器ごとにさまざまな科に分かれています。
そして、同時に複数の臓器で症状が起こっていてもそれに対応出来ず、科をたらい回しにされることも少なくありません。
ですが、東洋医学の考え方において、人は「臓器だけ」の存在ではなく、それらの臓器をすべて含んだ「全体」という見方をします。
また、臓器も臓器だけで切り離されて存在するわけではなく、互いに関連しあっているという見方をします。
例えば、聴力と腎臓には関りがあって腎臓が弱くなると耳鳴りがする、などです。
腎臓と聴力って、一見関係がなさそうに見えてしまいます。
西洋医学で言えば泌尿器科(或いは内科)と耳鼻科ぐらいの違いなので失笑されてしまいそうです。
しかし、冷静に考えるとこれは決して矛盾しません。
何故なら腎の働きが滞ることで、体液の循環が滞ります。
耳鳴りはほとんどが原因不明であると言われるものの、血流の循環の悪さから起こるとも(西洋医学では)言われています。
また、血圧のコントロールに重要なのが実は腎臓であることが、西洋医学の解剖生理でも明らかにされています。
事実上腎臓が体液のコントロールを担っていることを鑑みれば、血流によって生じる耳鳴りやめまいが起きるのも至極当然といえるわけです。
冬虫夏草における「体液の調整」や「尿酸の利尿作用」、そして「耳鳴りやめまいが改善した」という報告も、こうした東洋医学の側面で考えれば非常に納得がいきます。
冬虫夏草を使った薬の開発が進んでいますが、ぜひ東洋医学の視点も取り入れた上で効果を見出して頂きたいものです。
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