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漢方における冬虫夏草の位置づけ

中国で2000年以上前から愛飲されてきた冬虫夏草。中国では漢方などを中心にした東洋医学が盛んでしたが、歴史的に見れば西洋医学は近代文明になってから発達したため歴史は浅く、古来から伝わる東洋医学は決して引けを取りません。最近では日本の医大にも漢方学科を設置する大学も増えてきています。では、漢方における冬虫夏草の位置づけは、どういったものなのでしょうか?

中国の古文書によれば、冬虫夏草は「万病薬」とされています。万病薬、すなわち「どんな病気にも効果が期待できる」ということです。さらに「保肺」「益腎」とあり、肺機能と腎機能にも効果があると位置づけられています。これは中医学における五行の考え方でいうところの「木火土金水」にそれぞれ当てはめることが出来ます。中国五行においては、前述の「木火土金水」にはそれぞれ肉体の臓器が当てはまると考えられています。木行は肝臓。火行は心臓。土行は脾臓(胃と脾臓とする説もあり)。金行は肺。水は腎臓(副腎、生殖器も含)です。

これに当てはめると、冬虫夏草は「保肺」「益腎」とのことから、五行でいうところの金行と水行に当たります。この五行はそれぞれ「相生(そうしょう)」「相剋(そうこく)」という関係性があり、肺を司る金行は相生によって水を生み出します。そのため、「保肺(肺を保ち)、益腎(腎を益する)」という表現になったと考えられます。

また、中医学では肺の機能として免疫機能や体液代謝機能、そして何故か「皮膚」も司ると考えられていました。そして、腎は「生命エネルギーの貯蔵庫」を担っているとも考えられていたのです。西洋医学における解剖生理とは当てはまらないものの、こうした中医学の視点における効果が冬虫夏草に含まれていることを考えると、東洋医学を民間療法と見下すことなく、改めてその効果を検証する必要があると思わずにいられません。

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